焔祀り

台風の中で行われた焔祀りの儀式、しかし開始と共にそれまで降り続けていた雨が止み、祭畤山から下りてきた縄文の山守が松明を掲げて現れた。山守は儀式会場に並んだ「あわのうた」の奏者の間を歩いて、真ん中の儀式代の上で待っている縄文の女神様の元へと近づいた。縄文岩笛奏者「横澤和也」氏が鳴らす笛の音が会場に響いて、厳かな空気が流れる中、縄文の焔が姫に手渡された。

姫が掲げた松明の炎が高さ2メートルの焔台に燃え移り、炎は高く火柱を上げて燃え次始めた。

時同じく、アイヌのエカシ(長老)「浦川浩造氏」がカムイノミを始め、神々を称えるアイヌの焔の儀式が始まった。

会場に2つの火柱が立ち、立ち上る煙がやがて重なって雲間を縫って空へと舞い上がった。

「縄文」と「アイヌ」の再会

「祭畤山は縄文の聖地であり、アイヌのふるさと」そう言うエカシの言葉がここに結実した瞬間だった。

自然と共生し、争うことなく続いた縄文時代、

「自然の神々に感謝して自然と寄り添って生きる」

その生きざまを通じて今、世界中の人々が平和な地球を縄文から学ぶ時が来たのかもしれない。